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「ファイナルプレビュー <未完成の2チームの激突>」FGO vol.123 

itch の Football goes on vol.123
ロシアワールドカップ その13


「ファイナルプレビュー <未完成の2チームの激突>」


1か月におよぶサッカーフェスティバル、ワールドカップもいよいよファイナルを迎えました。

決勝の地ルジニキスタジアムで国家を歌うことが許されたのはフランスとクロアチア。

はたして2回目の優勝をフランスが成し遂げるのか、それともクロアチアの初優勝となるのか?

今回はそんなファイナルを前にして、セミファイナルの死闘を振り返りつつ、決勝の個人的な見どころなんかを書いてみたいと思います。


さて、前回に「時代はロングカウンター?」というテーマでこれまでの大会を振り返ってみたのですが、セミファイナルでもその傾向は見られました。

というよりも「勝てば決勝」というシチュエーションが、よりサッカーを守備的にしたという印象です。

「ワールドカップはクォーターファイナルが一番面白い」という意見が昔からよく聞かれます。

その大会のグッドチーム同士が激突し、選手のコンディションも良く、なによりも無欲で勝負ができるクォーターファイナルには確かにその大会のベストマッチがよく生まれます。

逆に言うとセミファイナルからその先は内容うんぬんよりも正真正銘の「勝ちにいく時」。

少しでも勝利の可能性を上げるために、リスクは徹底して排除されがち。

その結果、セミファイナル以降はいわゆる「固い試合」が基本的です。


はたして今大会のクォーターファイナルもそうでした、両試合ともクローズドなジリジリとした展開でした、


日本戦で大逆転してから勢いにのるベルギーに、あえてボールを持たせることで得意のカウンターを封じ、のらりくらりといなしながらセットプレー一発で試合を決めた大人のフランス。

僕の中でMOMはカンテです。この試合でデブルイネが何もできなかったのは基本カンテが封殺していたからで、ベルギーの攻撃には最後の仕上げが欠けていました。

今大会のフランスのディフェンス、ヴァラン、エムティティ、カンテのトライアングルはバイタルエリアに強固なブロックを作り、突破するにはディマリアが決めたスーパーゴール級のプレイが必要で、ここがフランスのストロングポイントだと思います。

ウィークポイントはフィニッシャーの不在。ムベッパは爆発力はあるものの消える時間も多く不安定。グリーズマンはチャンスメイクに忙しく、本来の役目であるジルーはここまでノーゴール。

なので「堅守速攻」でいい形は作れても「決定力」の面で見劣りし、絶対的な強さを感じないまま、ファイナルまで突破してきたという印象です。


対するクロアチアはトーナメント1回戦からセミファイナルまで、全て延長戦に突入して勝ち上がったという大会新記録を樹立。

要するに「守り切れず」「攻め切れない」という、完成度の低い「ポゼッション型」チームが陥りやすい状態のままここまで勝ち上がってきたという印象。

このチームのキープレーヤーはモドリッチとラキティッチと思われがちですが、僕はペリシッチとブルサリコ、二人のサイドプレーヤーがカギだと見ています。

どうしてもボールを大切にパスをつないでいく「ポゼッション型」チームの動きは「横」になりがち。

サイドチェンジを繰り返し、相手の陣形を揺さぶり、隙を作るためですが、その隙を突く「縦」の動きがないと「攻め切れない」し、パスの数は基本的にボールロストのリスクと比例するので相手にボールを奪われやすくなり「守り切れない」状態も誘発します。

そんなチーム状況に絶妙なスパイスをもたらしているのが、左サイドのペリシッチと右サイドのブルサリコだと思うんです。

特にペリシッチのゴールへの直線的なプレーにクロアチアは何度も助けられてきました。走力、テクニック、そしてキツイ時間帯でもあくまでゴールに向かう攻撃精神。スアレスの香り。

右サイドバックのブルサリコも同様です。この左右のサイドに縦への推進力を持っている点が、クロアチアはここまで消えていった「ポゼッション型」チームとの違いでしょう。

スペインにヘスス・ナバスがいたら。ドイツにラーム、サネがいれば。「ポゼッション型」チームにはスイッチを入れる「縦」の選手が必要なんです。


余談ですがこれは同タイプの日本にも突きつけられる問題です。乾というサイドアタッカー、長友の推進力の後釜が、日本にも不可欠だと思います。


整理をするとファイナルに進んだフランス、クロアチア、この2チームは6試合を経過した今の段階でもチームがまだ完成していないというのが僕の印象です。


ファイナルは「堅守速攻型」×「ポゼッション型」の構図だと思っています。ですのでかみ合わせはいいはずです。

選手の質ではフランスですが、チームの成熟度はクロアチアと見ています。ここまで延長3試合合計90分。クロアチアは他のチームよりも1試合多くこなし、ファイナルは「8試合目」です。伊達じゃありません。

その事実が吉とでるか凶と出るか。コンディション面での不利か、連携面での有利さか。なかなか読めません。


その辺を気にしながら、ファイナルを楽しもうと思います。


3位決定戦?あれはもう「イングランド代表」×「プレミアリーグ外国人選抜」みたいな、Jリーグオールスターを観る感覚で無邪気にアザールのドリブルを堪能します(笑)


それではまた、ファイナルのあとにでも!