Itchの「Football goes on」vol.92 

アジアカップ総括―そこに4年後のビジョンはあったのか― 後編


日本の問題はここ10年ぐらい一貫してます。

「アジアでは強者でも世界では弱者」。これです。

日本がトップレベルで君臨するアジアとは、ブラジルワールドカップで1勝もできなかったエリアだという厳然たる事実があるわけです。

浮かれる訳にはいかないアジア王者、さらにそれを決める大会はワールドカップまであと3年半、そんな微妙なタイミングで開催されます。次のワールドカップにむけて代表を模索する時期です。

そんなにいないと思いますが今回の決勝戦を観た方、韓国とオーストラリアのメンバーで聞いた事がある選手、何人いました?無理もありません。両国とも多くの新戦力を交えた「新たな代表」でこのアジアカップにのぞんでいますから。

UAEは日本戦後に準決勝でホームのオージーに屈したものの、人知れず行われた3位決定戦で人知れずイラクに勝利して人知れず3位になっていたりします。アジア王者を争う大会でオマルら若手は6試合の貴重な経験がつめたわけです。普段は経験できないような経験がつめました。

日本の現在のメンバーは誰もが納得するメンバーでしょう。どの監督でも使うと思います。怪我の内田を除いたほぼベストメンバーです。


その選手達の多くはヨーロッパで活躍している選手です。アジアカップのレベルでは大活躍を見せるのは必然です。
 
だからこそ考えちゃいます。はたして今大会で本田、香川、岡崎、長友は本当に必要だったんでしょうか?彼らはアジアカップレベルよりはるか上の欧州でプレーする選手達です。しかもほぼ4年一緒に試合をしています。遠藤は歴代1位の試合出場を更新しました。

UAEの若者達が普段つめない経験は、彼らにとってはとっくに経験している事です。それを承知であえて招集してしまう。「絶対に負けられない戦い」のために。

アジアカップは代表チームを作り上げるうえで貴重な経験を積む数少ない機会。そっちの側面にももっと注目すべきではないでしょうか。4年後の日本の事を考えて、呼ぶべき選手、出さなきゃいけない選手、それは本当に本田、香川、長友、岡崎なのか。

残念ながら「強化試合」の名目で組まれる、親善試合のほとんどは、まったく強化になっていません。ヨーロッパで活躍する選手が日常の経験を超えるレベルの試合は1年に数度、後は正直「イベント」です。

その「イベント」に「絶対に負けられない戦い」というキャッチコピーで煽られると、なんだか本当に重要な一戦に思えてきますが騙されちゃあいけません。

でもその「イベント」を「強化試合」にする方法ならあります。今回のUAEや他の国がそうだったように、まだ「代表でプレーをする」という事だけでも、普段つめない貴重な経験になる選手を招集すればいいんです。あの議論になったブラジル戦のように。

ザックジャパンの最大の問題点はそこでした。毎試合ベストメンバー主義。ポジションも固定。戦術も固定。実験要素ゼロ。

今回のアジアカップでも監督は変われど、日本はまったく同じ路線でのぞみました。ベストメンバー主義。日本は戦った4戦、まったく同じスターティングメンバーです。とてもあのブラジル戦と同じ監督だと思えません。アギーレも結局日本の「結果至上主義」には勝てなかったようです。

未来よりも今、目の前の結果が欲しくて現存のベストメンバーでのぞんだにも関わらずその結果が出せなかった。繰り返しますがサッカーにはUAE戦のような試合があります。だからこそ「結果」を拠り所にすると負けたら何も残らない。僕には八百長うんぬんよりも、アジアレベルで保守的なメンバーで小さくまとまろうとしたアギーレの肝っ玉とビジョンの小ささの方が問題だと思います。

解任もやむなし。ただ今回の解任劇がややこしいのはどうもそういった面よりも、ただ単に「ベスト8で負けた」という「結果」と、アギーレのダーティーなイメージを嫌って「リスクを排除するため」という側面のみで進められたんじゃないかという所です。

早くも後任監督の話題で盛り上がっていますが、はたして日本の「アジアでは強者、世界では弱者」という問題にうまく対処できる監督を招へいする事ができるんでしょうか。そもそも日本に必要な監督、名前だけじゃなく、本当に有効な監督とはいったいどんな方向性の人なのか。


次回はその辺について書いてみたいと思います、ではではー


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