ポストポゼッションサッカー時代(その2) fgo vol.108 

itch の Football goes on vol.108
ポストポゼッションサッカー時代 その2


さあ数回に分けてつづく現代サッカーの潮流を読み解くシリーズ「ポストポゼッションサッカー時代」の第二弾!

前回では「ポゼッションサッカー」を発明したペップバルサ、およびスペイン代表がサッカー界のタイトルを独占していた時代に、「対ポゼッションサッカー」という対抗戦術が生まれだしたところまでを書きました。

「対ポゼッションサッカー」の代表的なチームとしてモウリーニョのレアルを例にあげましたが、もうひとつ象徴的なチームがあります。

バルセロナの影響を受け、急速にポゼッションサッカー化したドイツのバイエルンミュンヘンや、ブンデスリーガのビッグクラブに対抗する形で生まれたクロップのドルトムントです。


「ポゼッションサッカー」を実行するにはボール扱いに優れたテクニックのある選手が必要です。しかしボール扱いに優れたテクニックのある選手は高価。お値段が高い。

予算が豊富な国内第二、第三のクラブならまだしも、持たざる者、非ビッグクラブには「ポゼッションサッカー」はやりたくてもやれない現実があります。

それを逆手に取ったのがクロップでした。マインツという当時は2部のスモールクラブで指揮をとっていたクロップは、持たざる者でもできること、「走る」事を徹底的に突きつめて、独自の「対ポゼッションサッカー」を編み出します。

前がかりに高い位置でプレッシングを行いショートカウンターを目指す前陣速攻戦術、ゲーゲンプレスです。


クロップは低迷するドルトムントにゲーゲンプレスを引っ提げて就任するや、2010シーズンから2連覇を達成します。そしてポゼッションサッカーを行っていたバイエルンミュンヘンを手玉に取るそのスタイルは、バイエルンキラーと呼ばれだします。

「ポゼッションサッカー」にはプレッシングが有効である。そしてプレッシングは「ポゼッションサッカー」と違い実行する選手を揃えるのにお金がかからない。貧者の、持たざる者の、弱者の武器である。クロップはそれを証明。ドルトムントをCL決勝の舞台にまで進出させます。


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ドルトムントの躍進は世界のスモールチームに勇気を与えました。テクニックは無いかもしれないけど、走る事ならできる。「対ポゼッションサッカー」戦術の筆頭として世界中であらためてプレッシングが注目されだします。


結果世界は二分されつつありました。「バルセロナか、ドルトムントか」。「ポゼッション」なのか「対ポゼッション」戦術の筆頭「プレッシング」なのか。

ボール扱いに優れた天才たちは、ハードワークという根性勝負に巻き込まれ輝きを失いだしました。モウリーニョ・レアルのリーガ制覇、クロップ・ドルトムントのドイツ王者、そしてその「ゲーゲンプレス」を採用したハインケス・バイエルンの三冠。

「対ポゼッションサッカー」戦術の反攻が始まりました。


さあ試行錯誤をしなければいけなくなったのは、今度は勝てなくなりだした「ポゼッションサッカー」勢の番です。


中途半端な「ポゼッションサッカー」はもはやプレッシングの餌食です。そんな中、「ポゼッションサッカー」のパイオニア、グアルディオラが動きます。予想外のドイツのビッククラブ、バイエルンミュンヘンへの就任です。

そのバイエルンでグアルディオラが実行しだした方法論とは、「ポゼッションサッカー」を超える「超ポゼッションサッカー」とでもいうようなサッカーでした。


つづく

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