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「日本が抱える最大の弱点」FGO vol.114 

itch の Football goes on vol.114
ロシアワールドカップ その4

「日本が抱える最大の弱点」

衝撃のハットトリック、クリスチャーノさんがいれば細かい攻撃戦術なんていらない!
10人で守ってボールを預ければなんとかしてくれる!すごいぞクリロナ!もはや超人!

そんなわけで平日27時キックオフのポルトガル×スペインの興奮冷めやらぬ中こんにちわ、itchです。


いや〜、サッカーの内容じゃ完璧にスペインだったのに、一人で3点取ってチャラにしちゃうクリスチャーノさん!
ただ両翼を交代で入れて、特にジョルディ・アルバサイドから活路を見いだしたサントス監督もやりますね。

しかしカッコ良すぎましたクリロナ。負け濃厚の流れの残り5分。ゴール前でファールを取り
ボールをセットしてから大股で後方に下がり例の仁王立ち。からの〜194cmのピケの右上から、
あのスピードで曲げて落とす!デ・ヘアはノーチャンスですよあれは。

しかし今大会の公式球「テルスター」はやっかいですね。クリスチャーノさんの2点目、スペインのナチョの2点目といい
グイングイン曲がるというか動く、キーパーにとってはやっかいなボールですよ。


今大会はミドルシュートやフリーキックでの得点が増える予感がするボールです。


さあそんなわけでついに始まりましたロシアワールドカップ!今回は先のパラグアイ戦のレビューから
対コロンビア戦について話を進めてみたいと思います。


前回に「軸になるメンバーを固定して、あくまでも組み合わせるサブを試す」試合であってくれと書いたのですが
西野監督の選択は「総入れ替え」でした。


ガーナ戦、スイス戦で試したスタメンがおそらく西野監督の当初の「軸になる選手」だったと思います。
ただ西野監督はインタビューでも明かしていますが、この3戦で招集した選手全員を出場させようと考えていたようです。

そして迎えたパラグアイ戦で、「総入れ替え」で出場したサブ組が躍動しましたね。

特に僕は岡崎がかなり効いていたと思いました。

さすがはレスターでラニエリに「シンジはチームに欠かせない」と言わしめた岡崎。
その運動量とファーストプレスの寄せの早さがこの日のプレッシングのレベルを引き上げていました。

パラグアイ戦ではまず岡崎がセンターバックにファーストプレス、そこからパス先に次に香川がプレス、
その際に岡崎はほぼ毎回、ファーストプレス先からからパスコースを切りながら連続してパス先に、
香川と一緒にプレス。

ボールホルダーは同サイドのサイドバックか、ゴールキーパーへのバックパスに限定されてしまうので
サイドへのロストを避けた苦しいパス、もしくはボランチへの一か八かの縦パスに追い込まれます。

そのボールを日本は次々と高い位置で奪い、ショートカウンターを浴びせ続けました。

パラグアイ戦での日本のプレッシングはうまくいっていたと思います。実質5バックでリトリート非プレスだったガーナ戦。
ハイプレスに挑むもいなされ空転しガス欠を起こしたスイス戦。そこから着実にプレッシング精度は上がっています。

次の課題はプレッシングのかけ方「精度」ではなく、その強さ、激しさ「強度」でしょう。

「精度」は寄せるまでの早さや、かわされた時のカバーリングなどシステム的な要素です。

「強度」は実際の奪う際の激しさ、最近雑誌や解説でしばしば聞かされる用語「インテンシティー」ってやつです。

現在のヨーロッパサッカーで監督などが「今日の試合のインテンシティーには満足している」とコメントするアレです。
もはやプレッシングが当たり前になったヨーロッパで問われているのはそこ、プレッシングの激しさ、キツさです。

前任監督ハリルはそれを「デュエル(戦い)」と表現していましたね。「日本はデュエルが足らない」と。

初期のプレッシングは寄せの早さでボールホルダーから時間とスペースを奪い、ミスを誘発してボールを奪うというものでした。
すると生物進化のように対抗してプレスを受けても冷静にキープし、時間とスペースを作り出す選手が出現してきます。

バッジオ、ジダン、メッシ、イニエスタ、そして全盛時の本田、そういった類の選手たちです。

すると次は対抗して進化はプレス側にもたらされます。より早く、速く、強く、連続してプレッシングをかけ続ける選手の出現です。
「プレーを制限する」受け身の守備から、主体的に「ボールを奪う」に進化していくわけです。

ポグバ、カンテ、マテュイディ、カゼミーロ、ケディラ、ナインゴラン、いわゆる「戦士」タイプに今は高い値札がつく時代です。

魔法のようなテクニックを持ち、時間とスペースを作りだすような「スペシャル・ワン」は神様の気まぐれを待つしかありません。
しかし、努力とガッツである程度のレベルまでいける「戦士タイプ」なら量産が可能。つまり比較的お値打ち。

予算の少ない弱者が魔法使いを揃えたビッグクラブに対抗するには…お値打ちな「戦士」を揃えて「デュエル」する。

そんなわけで世界は大きく「インテンシティー」の方向性に傾いているのが現状です。


余談ですがそんな流れの中、確固としてテクニック至上主義を貫くクライフの継承者、グアルディオラがだからこそ眩しいんです。


パラグアイ戦で問題だったのは2点取られたことでしょう。しかもまたもや先制点を取られています

いずれもミドルシュート。ペナルティーエリア外から。


日本のプレッシングの課題はバイタルエリアです。

本来ならば危険なエリアだけに最大強度のプレスが必要なエリアですが、日本はここのプレスが一番ゆるくなってしまいます。

その原因はセンターバックです。どうしてもディフェンダーの本能に従い引いてしまう。
ディレイの守備方法が染みついちゃってるんですね。

だからいつも寄せが甘くなり、ボールホルダーに時間とスペースを与えてしまいます。
中盤のプレスをかいくぐられてしまうと途端に大ピンチ。
日本は中盤を突破されると、ほぼシュートまで持っていかれてピンチに直結しちゃいます。

今風に言うならばセンターバックのインテンシティーが足らない、でしょう。

このクセは「デュエル」をかかげるハリルでも治せなかった。トゥーリオがいなくなってから日本が抱え続ける最大弱点です。

だから今の日本が5バックなどで引いて守るというのは自殺行為なんです。

引いても守れない。いや、引くと逆に守れない。ファールを恐れてという風には見えません。
どちらかと言うと恐れ、寄せてぶち抜かれた時のことを必要以上に恐れて、という風に見えます。

相手のミスを待つ。援護を待つ。自分が止める、奪うという意識の欠如。日本人の集団性の高さが裏目に出ています。

アタッカーや前目の選手が海外に移籍することはもはや定番化しつつあります。
しかし、センターバックの海外移籍はいまだレアケース。日本の最大の弱みはセンターバックなんです。

不思議なのはその唯一のレアケースである吉田が、もっともリトリートをしてしまうという所です。
よほど自分のスピードに自信が無いのか、ボールホルダーに詰めることをもっとも躊躇しています。

その点、パラグアイ戦の昌子は良かったです。ペナルティエリアの外で勝負する意識が見えました。

現代サッカーでは守備を固める時にセンターバックタイプを増やして、
後ろや真ん中を固めるという守り方はもはや見かけなくなりました。

中盤にフレッシュな選手を加えてプレッシング強度を上げるか、
相手のキーマンの担当エリアにフレッシュな選手を入れて相殺させる的な交代です。

いずれにしても意図は「ボールをゴールから遠ざける」です。

ボールの進化と選手のフィジカル能力の向上で、はるか100年前に決められた危険エリア「ペナルティーエリア」はもはや意味を成していません。

もしいまペナルティエリアを規定しなおすなら、ゴールから16.5メートルは狭すぎます。

少なくとも25メートル。それが現代サッカーの「射程距離」です。

この実質的な現代のペナルティエリア25メートル範囲に、相手ボールを容易に入れるのは危険。
25メートル引くことの16.5メートル。ゴール前8.5メートル。このエリアで自由にプレーをさせては、現代では即ピンチになります。
失点というサッカーにおける「死」に直結する危険なエリア。「バイタルエリア」と呼ばれる理由です。

ですので最近ではほとんどのチームのディフェンスラインはペナルティーエリア10メートル前あたりが平均値です。
つまりそこが「最終防衛ライン」として規定しているわけです。

その意識が低すぎるのが日本のディフェンスです。

バイタルエリアにボールが入ってからじゃ遅いのに、入ってからもなおディレイしてズルズルと下がる。
防いでもスペースがあるのでセカンドボールを拾われ続け、ディフェンスラインが下がりきった所でミドルで失点。

何度も何度も見てきた日本の失点シーンです。

確かにミドルシュートでの失点は一見「ディフェンスが崩されたわけでない」と言えます。
しかし1点は1点。「ディフェンスが崩されたわけでない」けど試合は負けです。

パラグアイ戦での失点シーンも同じでしたね。まあ1点目のスーパーゴールは仕方ないですけど
2失点目、誰もボールホルダーに寄せない。

ですから日本は他の国よりも中盤での守備に神経を使う必要があります。
ゴールキーパーはおろか、センターバックと1対1になることを避けることも、残念ながら日本は考えなきゃいけません

取るべき方法は二つ。

グアルディオラのチームように圧倒的なポゼッションで相手陣内にボールを押し込み
ボールロストをしてもそのまま相手陣内でハイプレスをかけてボールを奪還。
可能な限り相手陣内でサッカーをしてしまうという方法。

しかしこれができるのはグアルディオラだけなので、やりたくてもできない(笑)

後は岡田監督が採用した最初からバイタルに選手を配置しておく、つまりアンカーを置くという方法です。

「4−2−3−1」ではディフェンスラインとダブルボランチのラインの2ラインの守備になり
そのライン間が開くのが問題になります。

であれば、トップ下を外してその2ライン間に一人置く、「4−1−4−1」。これが岡田監督が下した決断でした。

僕はコロンビア戦に限ってはこの「4−1−4−1」がいいんじゃないかと思います。

まずコロンビアのストロングポイントであるサイドに選手をきっちり2人ずつ配置できる。
そしてただでさえ時間とスペースが無いバイタルエリアで変幻自在に動き回り、
決定的な仕事をはたす「現代サッカー最後のファンタジスタ」ハメス・ロドリゲス対策にアンカーをぶつけられる。

確かに「4−1−4−1」では攻撃力は大幅に低下します。プレッシングに忙殺される中盤の選手には攻撃の余力は無いでしょう

しかしコロンビア戦は「グループリーグ」の「第1戦」なのを忘れてはいけません。
条件は「マストウィン」では無いんです。引き分けで勝ち点1なら全然オッケー。

そして日本が狙うべき「ジャイアントキリング」を考えてもまず絶対に避けなきゃけないのが「先制点」です。

「ジャイアントキリング」にはまず強者のチームの混乱が必要不可欠です。「いつもの力が出せない」状態と言っていいでしょう。

覚えておかなければいけないのは「マストウィン」なのはコロンビアの方だということです。

彼らは決勝トーナメント後も考えなければいけない立場です。つまり1位抜けが欲しい立場なんです。

コロンビア戦、時間は日本の味方です。先制点が遅ければ遅いほど、コロンビアは焦ります。

攻撃や守備はどうしても強引に、単調になってゆくでしょう。ジャイアントキリングの下地はそうやってできていきます。

そこに攻撃人数の関係の無いセットプレーから1発決まろうもんなら、コロンビアの混乱は頂点に達するはずです。

コロンビア戦はまず守備です。ただしアグレッシブな「攻撃的守備」が問われるでしょう。

引きっぱなしじゃやられます。バイタルエリア前で潰す、さらにショートカウンターを何本か見せて相手を押し下げる、
人数をかけずシンプルにシュートで完結するような、そういった守備を助ける「守備的攻撃」も必要です。

とにかく対コロンビアでもっとも重要なのは「先制点を可能限り遅らせる」べきであると僕は思います。

では具体的なメンバーをどうするのか?

本当はぶっ続けでここから書いて行こうかと思いましたが、
ここまで充分な殺人長文になってしまっているので2回に分けます(笑)

それではまた!

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